Vol.35 カビの話

今年もそろそろやってくる梅雨の季節。おうちのどこかでカビが繁殖していませんか?放っておくと深刻な健康被害や住宅の傷みにも繋がりかねません。今回はそんな健康の敵、カビのお話です。
キノコもカビの仲間
カビは微生物学上では真菌と呼ばれ、その仲間はなんと6万4000種類以上。実はしいたけや、マツタケ、トリュフなど美味しいキノコたちもその仲間です。日本の住宅の中で発生するカビはおよそ20~30種類もありますが、常連はそのうちの5~6種類。風呂場や台所など水に濡れる場所を好むのがクロカビ、ススカビなどで、浴室に繁殖するカビの代表はクロカビです。これらのカビは、室内ではビニールクロスや塗装面、プラスチックの表面にも発生します。湿気を好むカビは、通風・換気を心がければ防ぐことができます。マンションなどで浴室に窓がない場合は、浴槽に水をはったままにしない、換気扇を回し続けるという方法が有効です。
有用なカビも住宅内では悪者
コウジカビやアオカビは、比較的乾燥した場所を好むカビの仲間です。コウジカビは、日本酒や味噌、醤油などの日本が世界に誇る発酵食品の製造に昔から利用されている有用なカビです。しかし、住宅の中では話は別。天井の隅やエアコンのフィルター表面などで繁殖し、エアコンがよく使用される真冬や真夏の時期には、エアコンからコウジカビの胞子が飛散することがあります。ですからフィルターの汚れはこまめに掃除しないといけません。
アオカビは、食パン等の他、壁のクロスや家具の裏面にも繁殖します。抗生物質のペニシリンはこのアオカビからイギリスの細菌学者サー・アレキサンダー・フレミング博士によって偶然発見されました。1928年の話です。この発見により、博士は1945年にノーベル生理学・医学賞を受賞しています。
カビはアレルギーの原因物質
カビは臭いも不快なものですが、体内に吸い込むと病気の原因にもなります。カビが原因で発症する代表的なアレルギー疾患はアレルギ-性ぜんそく。その約1割は室内で繁殖したカビが原因だそうです。エアコンから空気中にたくさんのカビ胞子が飛散した場合、その空気を吸うことで過敏症肺炎が発生する場合もあります。冬に使われる加湿器も、お手入れを怠ると水槽内にカビや細菌が繁殖し、同様の症状が起こる場合があります。そのため加湿器肺、空調病などと呼ばれているとか。気をつけたいところですね。
特に避けたいコウジカビやアオカビの発生
乾燥を好むコウジカビやアオカビは空気中に浮遊するため、健康に及ぼす影響も大きくなります。また、このコウジカビやアオカビがよく繁殖する温度20℃~25℃、湿度75%以上の条件は、もうひとつの主要なアレルゲンのダニ類(ヤケヒョウヒダニ・コナヒョウヒダニ)がよく繁殖する条件とも一致します。ですから、湿度を60%~50%に下げることで両方の繁殖を抑えることができるのです。防カビ剤を使ってカビを防ぐ方法は即効性がありますが、カビを殺す成分自体が人間にとっても猛毒。発がん性を持つものが多いので、まったくの天然由来成分のもの以外はお勧めできません。
エアコン、除湿機、扇風機をフル活用
湿気の多い梅雨時でも、10~15分ほどでひとつの室内を乾燥させ、快適にする方法があります。まず、部屋の窓やドアを完全に閉め切り、換気扇も止めます。そしてエアコンを冷房にし、一緒に除湿機を運転します。さらに扇風機を回して室内の空気をかき混ぜるのです。これで室内は梅雨でもからりと乾燥させることができます。
もうひとつ、室内の壁を水硬性石灰やスイス石灰、化学物質を含まない珪藻土など、吸湿性の高い天然素材で塗る方法も有効です。






