Vol.28 ふとんの話②

ベッドより健康的と世界からも注目され体を丁度良く支持する「ふとん」。今回はより快適に、長く使い続けるための正しいお手入れの仕方を中心にご紹介します。
「吸湿性と放湿性」が重要
安眠を得るために、掛けふとんに必要な条件は、まず「軽さ」と「体にフィットする」こと。敷きふとんには「適度なクッション性」と「姿勢を支持する力」が求められます。さらに共通する条件が「保温性」と「吸湿性と放湿性」。安眠のためには、ふとんの中が体温よりやや低い33℃、湿度は50~55%であることが理想だそうです。私たちは睡眠中に毎晩コップ1杯の寝汗をかきますから、これを速やかに吸収し、昼間に速やかに放出する「吸湿性と放湿性」は、非常に大事な条件になります。
重すぎる掛けふとんは実は危険
掛けふとんは「軽さ」が命。寝返りが打ちにくいほど掛けふとんが重いと、血液の循環が悪くなり、血圧上昇の原因になります。脳内の血管や首のけい静脈の血圧は平時の1.5~2.5倍に上昇し、脳卒中の発作を起こしやすくなるのです。また、掛けふとんが重いと寝返りを打つたびに心臓に大きな負担がかかり、狭心症や心筋梗塞の発作も起きやすくなるとか。ご年配や既往症のある人には、掛けふとんは軽くて保温性が高い羽毛ふとんがお勧めです。
敷きふとんは綿の敷きふとんがお勧め
敷きふとんは「クッション性」と「姿勢を支持する力」が大事で、この点では木綿の敷きふとんがお勧め。しかし、背中にかいた寝汗を吸う敷きふとんは、乾燥させやすいほうがコンディションを保ち易いのも事実です。その点では、羽毛や羊毛の敷きふとんのほうが優れています。ですから、木綿の敷きふとんの上に薄手の羽毛や羊毛ふとんを重ねてみてはいかがでしょうか。
夏の天日干しは午前中に
ふとんの手入れといえば天日干しですが、やり方によっては逆効果な場合もあるのでご注意を。天日干しは、ふとんの乾燥と殺菌に効果があり、さらにダニの駆除にもある程度の効果がありますが、夏の強い日差しは木綿ふとんの中綿の脂分を傷め、ふとんの寿命を縮めてしまいます。干す時間は、夏は正午前の1~2時間程度。日差しの弱い冬は、正午をまたいだ2~3時間がおすすめです。羽毛ふとんや羊毛ふとんは水分を放出しやすく、普段は窓を開けて部屋の風通しを良くするだけで十分。ただし、殺菌のためには1ヶ月に1~2回は太陽光に当てたほうがいいでしょう。
干したふとんは叩いてはいけない
また、意外に思うかもしれませんが、ふとんを取り込む際に叩くのは禁物です。木綿ふとんの場合は中綿の繊維を壊し、細かいダストになってしまうとともに、ふとんの寿命を短くしてしまうのです。羽毛ふとんも、叩けば中綿の羽毛が壊れてしまいます。また、叩くとダニの死がいやフンなどが細かく砕け、取れにくくなってしまいます。これらのハウスダストを上手に取るには、表面をブラシなどでさっと払って、掃除機を掛けるのが正解です。
干せない人には光触媒のふとん
最近では、「光触媒(ひかりしょくばい)」の技術を応用した消臭殺菌ふとんも登場しています。繊維に練りこまれた酸化チタンに光が当たると、強力な分解作用が発生し、体臭やタバコなどの臭いの原因物質を消し去ってくれるのです。ホルムアルデヒドなどの有害物質も分解でき、シックハウス症候群にもある程度の効果が期待できます。太陽光だけでなく、蛍光灯の光でも酸化チタンの分解作用は発揮され、しかもその効果は半永久的に続きますから、なかなかふとんを干すことができない人にとっては大変便利なふとんといえそうです。強力な力を持つ酸化チタンですが、物質自体は安全で、肌に触れても問題ないのでご安心を。
ダニ退治にはふとん乾燥機
ふとん1枚にひそむダニの総数は、死がいも含めて数十万匹といわれます。ダニは50度以上で20分加熱すると全滅しますが、実は天日干しでは十分に温度が上がりません。ダニは裏側に逃げてしまい、2時間で30~40%までしか減らせないそうです。これでも、ダニの繁殖をある程度抑える効果はありますが、徹底的に駆除するならば、ふとん乾燥機が効果的です。50度で十分に乾燥させた後は、必ず掃除機でダニの死がいを丁寧に吸い取ることをお忘れなく。
ふとんにもローテーションを
ベッドのマットレスと同様に、ふとんの敷き方にもローテーションが必要です。表と裏、頭と足を、定期的にひっくり返して万遍なく使えば、生地や中綿の傷みや汚れも片寄らず、長持ちします。また、気になる衿元の黄ばみも付きにくくなります。
木綿ふとんは打ち直しで60年使える
私たちは毎晩コップ1杯の寝汗をかきますが、寝汗に含まれる脂分やアンモニア、中でも塩分の酸化が生地や中綿を傷めます。そこで3、4年に一度は、専門業者に依頼して丸洗いすると、新品同様の弾力とボリュームが蘇ります。羽毛ふとんなど薄手のふとんは、専用の洗剤を使って自宅で丸洗いすることも可能。洗った水は番茶のような色になり、みなさんびっくりするようです。
そして木綿のふとんは10年に1度は打ち直しを!新しい綿を加えて、2枚の新品同様のふとんに打ち直すこともできるそうです。また、羽毛ふとんは打ち直しの必要がありません。丁寧に使えば耐久性も15年以上と長く、生地を交換して再使用もできるので、意外に経済的といえます。
ふとんは粗大ゴミの多さでワースト3に入るとか。しかしこれはもったいない話です。とくに木綿のふとんは、中綿に脂肪分が残っている限り、何度も打ち直して生まれ変わらせ、ほぼ60年間も使えるエコロジカルな寝具なのですから。大事なのは定期的なメンテナンスです。






