Vol.22 カーテンの話

窓から射し込む光を遮るカーテンは、住まいにゆとりと潤いを与えるインテリアとしても大事なアイテムです。最近では雰囲気だけでなく、機能面でも住まいを快適にしてくれる製品が増えています。今回はその歴史から紐解いてゆきましょう。
語源はラテン語
カーテンの語源は、ラテン語で覆うことを意味する言葉「CORTINA(コルティナ)」だといわれています。この言葉には「器・人の和・覆い」という意味もあるそうです。カーテンは少なくともエジプト文明の時代には使われていたといわれていますが、現在のように窓ではなく、天蓋ベッドのようにベッドの周りを覆うものでした。当時のものは現存していませんが、文献などで確認できる最古の証拠はローマ時代の絵画。クレオパトラとシーザーのベッドにも素敵なカーテンがかかっていたことでしょう。
ガラスの発展とともに窓へ
カーテンが窓を覆う用途に使われるようになったのは中世ヨーロッパ。以前にアキュラ通信でもご紹介したガラス窓が普及する14~15世紀のお話です。当時ガラス窓は貴重品で、教会や宮殿、一部の貴族の邸宅だけに許されたステイタスシンボルでした。そのガラス窓を引き立てる装飾品として、カーテンを掛けるようになったのです。そのため窓を完全に覆ってしまうことはなく、ひだもほとんどありませんでした。
17世紀のフランス、バロック様式の時代には太陽王ルイ14世の影響で、カーテンにも光沢のある布や金糸銀糸を織り込んだ布が使われ、派手なデザインが流行しました。続くロココ調様式の時代には繊細で柔らかな曲線的なデザインが流行。さらにナポレオンが活躍した19世紀には、古代エジプトやローマを彷彿させる古典的で荘重なアンピール様式が発達。現代のドレープとレースの二重掛けスタイルの原型が生まれました。こうしてみるとカーテンは、フランス宮廷文化の影響を強く受けて発展してきたことが分かります。
日本独自のカーテンは竹製
一方、日本にも独自のカーテンの歴史があります。源氏物語絵巻などをみると、貴族の御殿は今とは違って非常に開放的な建築で、柱と柱の間には壁がありません。そこには「御簾(みす)」というすだれが掛けられていました。これは、竹を削って作った極細の棒を絹糸でつないだもので、夏の間は涼しい風が入り込み、寒くなると中国伝来のシルクの織物で「壁代」という布が、その内側に取り付けられました。これらがわが国のカーテンの始まりです。
西洋式のカーテンが日本に入ったのは江戸初期。長崎出島のオランダ公館というのが通説ですが、実際に日本人が使い始めたのは、幕末から明治にかけてと考えられています。鹿鳴館などがその代表でしょう。当時の呼び名は「窓掛け」。ほとんどが貴重な輸入品でした。明治末期になると綿、絹、麻などを素材にした国内生産も始まっています。
日本の一般住宅に本格的にカーテンが普及し始めたのは昭和30年代。日本住宅公団によるアパート建設がきっかけです。40年代になって遮熱や防音などの機能を持つカーテンが登場。昭和48年の第一次オイルショックで省エネ意識が広まり、カーテンは一般家庭に定着したのです。
光触媒技術を応用したカーテン
最近のカーテンには、光触媒技術を応用した強力な消臭・殺菌・空気清浄力を備える優れものがあります。シックハウス症候群の原因物質と考えられているVOCを分解したり、カーテン上の細菌の繁殖を抑えたり、トイレや生ゴミ、タバコ、ペットなどの臭いや、加齢臭の元である「ノニナール」まで分解してくれる機能を持っているのです。しかも吸着タイプではないので再放出はしないとか。空気清浄機を置くより、静かで経済的といえますね。
外からの視線や騒音をカット
女性の一人暮らしなど、外部からの視線が気になる場合には、ミラーレースなどの光を乱反射するカーテンがおすすめです。日中は外から見えにくいだけでなく、太陽光をカットするので冷房効果をアップさせ、紫外線も90%以上カットして、室内の日焼けを防いでくれます。このタイプには夜間の室内も見にくい製品も登場しています。また、遮音性に優れたカーテンもあります。一般の厚手のカーテンでも5ホーン程度の防音効果がありますが、生地に樹脂コーティングを施したこのカーテンは、家の外から室内へ、室内から外部への音の出入りを15ホーン程度も減少させることができます。遮光カーテンと併せて使えば安眠効果も大いに期待できそうです。
カーテンで手軽に省エネ
カーテンの省エネ効果は馬鹿にできません。一般の住宅では最も熱の出入りが激しい場所はガラス窓です。普通のカーテンを掛けるだけでも、ここからのエネルギーロスをかなり少なくすることができます。最近の製品ではこの省エネ性能に優れたカーテンが増えていて、手軽で効果的な省エネ対策として注目されています。一度、機能性に注目したカーテン選びを試してみてはいかがでしょうか。






